その瞳をわたしに向けて


「ほら、もう少ししっかり歩いてくれ」


玄関に入るともう面倒で、ひざの後ろに手をまわし抱き上げてベッドに運んだ


居酒屋を出てタクシーに乗り、家に送ろうと思ったが車の中で完全に眠ってしまっていたし、暗証番号や鍵やらの美月の部屋に行くのが面倒で、そのままうちへ連れてきてしまった。


俺が一緒なのも覚えてないんだろなぁ……


ベッドに寝かし昼間の間蒸された部屋にクーラーをかける


「あっちぃ……」


今日は特に湿気のある空気で部屋が冷えるのにも時間がかかりそうだ

シャワーを浴びて汗を流した頃にはいい具合に冷え始めていた


「……清宮……?」


眠っていると思っていた美月は暑かったのか、起き上がりベッドの縁に座ってストッキングやらブラウスやら脱ぎ始めていた。


「!!?」

「あつい……………」


「ちょっと待てっ今何か着替え持ってくるからっ!」


適当なTシャツを探してくると、キャミソールと下着だけの状態で、そのままベッドにまた沈み込んでいた



……………その状態に思わずのどを鳴らす




「…………ったく」

どれだけ無警戒なんだこいつは……

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