その瞳をわたしに向けて
「ご迷惑御掛けしました、お詫びは後日します………から……今日は帰ります……」
他人のベッドでほぼ下着だけの格好、シーツにくるまって…………
ベッドサイドに松田が座ってこちらを向いて居るため身動きがとれない…………
「ほっとける訳ないだろ……」
呆れている様にしか見えない松田に理沙が言った言葉を思い出した
『剛平って本当にあなたのお守り役なのね。』
「…………どうせ会社のためでしょ」
美月の言った言葉に松田は眉をひそめ、頭を傾ける
「いくら杉村常務に頼まれたからって、そこまで律儀に従う事ないじゃない………」
「は…………?」
あらかさまに顔を歪ませ不機嫌になる松田に、「なんでここで杉村常務がでてくるんだ?」と言われた
「だって………」
美月は口をつぐんで、ムッとした顔で目を叛ける
松田の手が美月の頬に伸びる
「いたっ」
その頬をぎゅっと摘ままれた
「俺が常務に頼まれてお前に構ってるって言いたいのか?」
「……………」
摘まんだ美月の頬を手で覆うとジッと覗き込み、はぁ……っと大きな溜め息をつく松田