その瞳をわたしに向けて



「………ず…」

「ず?」


「……ずっ……ずるい」

キスされるより、この息がかかる状態も口から心臓が飛び出しそう……


「ずるいっ……昨日そう言ったんなら…わっ私ばっかりっ」

簡単になんか出てこないそんな言葉……

「私ばっかりっ……」

ゆっくりと松田の唇が美月の耳元まで近づいた

「美月…………」


えっ…………?



「好きだ………」



「……………」



「お前ばっかりじゃない………俺も好きだ……」




「…………ウソ………」

嘘ってなんだよ、と眉をひそめる松田


「だって………立花さん……」

思わず出てきた名前に自分でもびっくりするが、松田も小さく溜め息をついた

「まだ立花かよ………あのなぁ~まあ……確かに立花のこと好きだったし、嫌いになった訳じゃないけどな……」


美月の頭にふゎんと松田の手がのる

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