その瞳をわたしに向けて

「結構イベント重要?」


「…………わりとね」


クスクス肩を揺らして「了解」っと言う松田に

「絶対松田さん、忘れそう……」

そう言って笑って顔を上げた美月の口に人指し指を当ててきた松田


「松田さん、かぁ……」


「?」


「呼び方……」

「あっ……………じゃあ、剛平」


「おっ、ハードル上げたねぇ」

驚きながらも嬉しそうに口角を上げる

「……だって、佐伯さんだってそう呼んでたし」


「理沙?」


ムウッと下唇をかんで俯く美月見てクックッと笑う

「お前、理沙にも振り回されてたんだな」

大阪出張で久し振りに会った時、寄りを戻すどころかお互いの恋愛話で盛り上がったことを松田から聞いた

よりを戻すという噂とか、おもり役だとか言われて随分理沙にヤキモキさせられたことを美月も話した


「……じゃあ、呼んで」

色っぽく目を細めて耳元でそう言い美月の頬にキスを落とす

そのまま、水音をさせながらゆっくりと美月の身体を沢山のキスが這い回る



「………やっ…んっ……こーへぇ……」



「……美月」



松田の唇と舌に美月の腰が捩る、そのまままた眠れない夜が続いた



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