その瞳をわたしに向けて
戦う松田とお嬢様の兄
兄 vs 松田
「出張中の忙しい時期に申し訳ありません」
PM10:00出張中のホテルから、タクシーを走らせ指定されたバーラウンジへ到着すると、一度会ったことのあるその男は威圧的に不適な笑い顔を向けた。
「いえ…………まさか貴方からお誘いがあるとは思いませんでした。」
松田に少々の緊張の糸が走る
「調べることは、そう難しいものでもないものですから」
三日間の出張の一日目の夜、ホテルの部屋に電話がかかってきた
「何かご用ですか?確か仕事では私と接点は無いはずですが…………」
そう言って、カウンターの隣に座った松田はジントニックを注文した
「仕事の話のような、そうでないような感じでしょうか…………」
「…………」
いや、分かりにくく言うのはやめよう、と松田を正面からみて、口を開いた。
「はっきり言わせて貰えば、美月とは早急に別れてください。私が話したい事はまずその事です」
…………やっぱり
「申し訳ありませんがそれは、受け入れられません。清宮 保さん…………」