その瞳をわたしに向けて
『お疲れ様です。
明日帰社予定を今日終わらせて帰って来るなんてさすがだね!でも、忙しそうだから今日は帰るね。なにかあったら電話してね、無理はしないでね。
Mithuki』
こうゆう時、携帯って便利だよな………
1回目のメールからすぐ後の2回目のメールでちょっとホッとした
『今、兄さんから電話があって食事をする事にしました。今日はそのまま実家に帰ります。
Mithuki 』
いくらシスコンだと言っても身内だから安心だ。実家に行くとなれば朝の出勤は、当然運転手付きの車だろう
保が川村社長という人物を警戒するのは同感だ。調べれば調べるほど、なぜ気付かなかったのか、ヤバそうな金融関係にも関わっていた。
次の日、会議の休憩に5階の第6倉庫室に美月を呼び出した。
「昨日兄さんに、暫く毎日実家に帰るように言われたの。定時に会社に車を寄越すって、朝も車通勤になる…………」
結局兄さんには剛平の事バレてるみたいだと口を尖らせた。
「………そうか」
保の方から今の会社状況を話したりはしてないらしい…………
だからと言って、美月にこれから話す機会は、幾分無さそうだ
「悪いな、忙しくて相手出来なくて」
そう言うと、美月はふるふると首を振った