その瞳をわたしに向けて

「美月は今どうしてる?」


「元気な訳ないじゃない…………」


 だよなぁ…………


「会えないのか? 連絡さえとれれはいいんだが」

「別に閉じ込められてる訳じゃないんだけどねぇ。落ち込んで閉じ籠ってる………」


「そうか…………」

伏し目がちに考え込む松田を前に、瑠璃子は小さく溜め息をついて椅子から立ち上がった。


「兎に角言っとくわ……」

そう言ってもう時間だからとその場を別れた。



美月と会えたのは、それから三日後だった





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