その瞳をわたしに向けて


3ヶ月後、海外事業部からロス支店に転属した。


そして、その3ヶ月後に再び日本に一時帰国した。


杉村常務と立花春香の結婚式の出席ために


さすがイズミfood代表取締り役社長の甥の結婚式だけあって、ホテルのホールに泉一族は勿論のこと、取り引き先までが招待されていた。
新婦側の親戚は母親と弟だけなため、大勢の同期入社の面々が勢揃いした。


「おおっ~!」


「なによ…………馬子にも衣装って言いたいんでしょ」


新婦側控え室で、ウエディングドレス姿の立花に思わず歓喜の声をあげた。


「常務夫人にまさかそんな事、御綺麗ですよ杉村春香さん」

冗談めかしてそう言うと春香は「もうっ」と頬を膨らました。

周りにいる同期連中からもドッと笑いがおきる


「なんだかんだと粘り勝ちだな。結局ここまでくるのに何年かかったんだ?」

「……………13年?」


その答えにはぁっと感心しながらも目を細める松田

「本当によかったな。幸せになれて…………」


「ふふっ、ありがとう。」


その笑顔は本当に最高に綺麗だった


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