その瞳をわたしに向けて

「春香、こちら清宮コンツェルの清宮保さん。清宮美月さんのお兄さんだ。」


新婦控え室が一瞬に静まり返った。

やはり、若いのに独特の雰囲気を持ち合わせている。周りから注目と溜め息が漏れる

「あっあ、はっ初めまして………いつもお世話になっておりますっ」

…………テンパってるぞ、おいっ

「本日はおめでとうございます。妹が大変お世話になった方のおめでたい日に、諸用で欠席とは、申し訳ありません。仕事でもお付き合いのあるイズミfoodさんですので愚兄ながらご挨拶にと思いまして」


そう言って長身ながら美月に似て整っている女性的な顔でニコリと微笑み、軽く握手を求め挨拶をした。


「それは、大変ありがとうございます。」

だからおかしいぞ、その日本語

「美月ちゃんには私も職場では仲良くしてもらって、今でも時々お互い連絡取り合っているんです。」

嬉しそうに握手を受ける春香が手に持っているスマホを小さく上にあげる


「そうですか。なにぶん世間知らずな妹ですが、これからもお付き合いしていただけたら幸いです。」

軽く頭を下げる保に「あのっ…………」と申し訳なさげに見上げる春香。


「写真撮らせて貰っていいですか?」


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