その瞳をわたしに向けて


「みぃちゃんって大手の会社に勤めてたんだね、なんか勿体ない。イケメンに囲まれてたのに………」

随分イケメンにこだわるなぁ………

ははっと笑いながら見せていたスマホを返して貰う。




「なになに?イケメンの写真?それなら撮れたてがあるよっ」

もうすぐ授業が始まるころに来たもう一人の友達が、スマホ画像を差し出してきた。


それを見た睦っちゃんが不思議な顔して首を傾げた。

「ねっねっイケメンでしょ。背が高いから目立ってたのつい、撮っちゃった」

「…………それって隠し撮りでしょ。ダメじゃん。」

美月がそう言って眉をひそめる。


「Twitterに流したりしないよ、観賞用だもん。」

人混みの中で、名古屋の駅構内の地図を見つめている背の高い男性


「ねぇ………これってみぃちゃんの写メに映っていた人じゃない?」


「え…………?」


「ほらっ礼服着てるし。背が高い眼鏡かけてた方のイケメンさん。」

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