その瞳をわたしに向けて
写メにあった構内の電工掲示板の前。


もうここに、居るわけないよなぁ…………

人も多くて込み合っている駅構内、写メと同じ様に立ってみる

「……………」



兄さんに言われたように、私は何もなかった。

会社を辞めたのだって、そんなに大して未練もなかった

あのままだったら、わたしは今まで通り剛平の時間に合わせて会うだけだった。

…………待つばかりの

ほかに簡単なアルバイトを、探しても続けられる自信もない。

多分、泣きつく場所があるからだ…………


だから、一人になってみた。

母方の実家にいくならみんな納得してくれたし

剛平から離れたら、兄さんも何もしない。

『なんの取り柄もないお前が、結婚できる相手はせいぜい資産のある男だけだ。世間知らずのお嬢様に社会の役割はない。』


兄さんに言われた事を瑠璃ちゃんに訴えたら、呆れた顔をされた。
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