その瞳をわたしに向けて
『それは、裏を返せば世間を知りなさいって事でしょ、自分のやりたい事がないのかって。
保さんは社長になる事を決めたのに美月は男に依存してるだけに見えるのよ。』
依存なんて、私はただ………
『清宮の令嬢が、ただ男の後を追いかけてるだけなんて我慢ならないだけよ。私は別にそれでも良いと思うけどね。』
追いかけているつもりはない
『保さんにとっては大事な妹だもん。彼にはそう見えちゃうのよ』
今のままじゃダメなの?
『一緒に居られればいい』と剛平に言われた時、近くに居たらまた他の事からに逃げだしたくなりそうだった。
だから離れた
けど
少したった頃、剛平がロサンゼルス支店に転属になった事を聞いた。
剛平が日本にいない、海外に行ってしまう
ただそれだけで苦しかった。寂しかった。
彼にいつか会える事だけを希望に、ちゃんと自分を見せられるように頑張るしかない