その瞳をわたしに向けて

それから、どこをどう帰って来たのか…………



「あら、お帰りなさいっ美月ちゃん」

気が付くと元気のいい美鈴ママの声が耳に入ってきた

こっちに帰ってきて、一人暮らしを始めて通いだした『鈴政』に来ていた


「ママ……………」


ああ………ダメだ


「まぁま………うっ………ひっく」

「えっ?!美月ちゃん?どうしたのぉ?!」

止めどなく溢れてくる涙も拭えないまま、その場にしゃがみ込んだ


「どうしよう………ままぁわたしバカ野郎だよ………」


3年も経ってるんだもん、とっくに忘れられててもおかしくないのに

自分から連絡しないで消えたくせに………



「いまさらダメだよぉ……なんでそんな……ううっ…………ひぃっく、わたし…………」


「美月ちゃんっ?!」


「うわぁぁぁぁぁっん…………どうしよぉぉ……」


……………今更もう、どうにもならないんだ


暫く顔を拭いながら、喉を引きつかせて美鈴ママに泣きついた



美月の状態に戸惑う美鈴ママに、少しづつ今日の事をぽつりぽつりと話をし出した


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