その瞳をわたしに向けて
昔よく松田と二人で座っていたカウンターの奥、
そこで美鈴ママと座って宥めて貰った。
ママの代わりには、お店のお客の源さんがカウンターに立って接客していた
「美鈴ママ………ごめんなさい」
今更ながら、自分で決めた行動が勝手だったと、自分よがりだったと改めて思った。
「美月ちゃん、もう一度ちゃんと確かめてみたら?もしかして何かの間違いかもしれないし」
そう言って泣きながら引くつく背中をさすってくれる美鈴ママに、首を振った
「無理だよ…………だって、常務が言ってた。
本人はロサンゼルスなのに、本社や支店はその話で持ちきりだって………………
誰に聞いたって同じ話されるだけだよ」
これ以上、剛平と知らない誰かとの話なんて聞きたくない…………
「じゃあ、直接本人に聞いてみるとか?
最近の携帯は海外もかけられるって言うし、会社だってわかってるんだから、電話してみれば…………」
さっきより、強く顔を振る美月
「それこそ無理ですっ。連絡しなかったのは私なんですよ、本当に結婚するのかなんて……………元カノからかかってきたって、ふざけるなって思うよ絶対……………」