その瞳をわたしに向けて

「へんな言い方しか出来ないけど、逃げたくても逃げられない明日がちゃんとあるから……………だから、いっぱい泣いて……いいよ」

美鈴のくぐもった声に顔を上げると


「なんでママまで泣いてるんですかぁぁ……」


「ごめん…………美月ちゃん、私も辛い………」


「……………っごめんなさい、ママ…………」


就職が決まってまず真っ先に鈴政に顔をだした。

美月が一人でいる事を、美鈴には簡単に話して相談した。



ここが唯一松田との事を話せる場所だったから


でも、もうピリオドを付けなくちゃ…………


今はとても無理だけど、ママの言う通り何もない訳じゃない。

ちゃんと諦められる時がくるのかも…………



今は…………とても無理だけど






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