その瞳をわたしに向けて
「26歳にもなって………」
「…………」
美月と同じ年か、それにしても幼く見えるな
美月と会えなくなって3年経つが、あの頃の美月と同じくらいだと思った
田沼社長は今日から三日間俺が接待する相手だ
国内では地方を中心に手広く大型スーパーや専門店などを展開させている大手ベンチャー企業
Best Company(ベスト カンパニー)
海外侵出のため何社かのプレゼンを選出している
その視察を一任された重要な接待だ
何日も前から綿密に計画をたてスケジュールを組んだ三日間のはずだったのだが…………
男性秘書をつれての視察で、娘の茜を一人にはさせられない、と言う田沼社長に
「では、会社の誰かに観光の通訳がてら、つけさせましょう」
そう言って携帯を取り出すと
「君にお願い出来ないか?」
「はっ…………?!」