その瞳をわたしに向けて
「悪い…………なんか色々と勘違いさせたみたいだな、ハッキリ言うが…………」
「剛平さん、でも今付き合っている人もいないんでしょ、だったら良いじゃない。これから付き合ってみようよっ!ねっ」
松田の明らかに断るだろう言葉を遮り、そう言う茜に小さく息を吐いて首を振る松田
「……………確かに今付き合っている人はいないが、俺好きな子はいるから」
「えっ……………」
頭を掻きながら、「実はなっ」といつになく優しい目をする松田に茜の胸が傷んだ
「っと言ってもロスに来てから会ってないし、向こうは別れたと思ってるかもしれないがな」
ははっと失笑ぎみに笑う
「…………」
「俺は別れたつもりはないし、そろそろ連絡してくるんじゃないかと思って待ってるところなんだけどな…………」
…………そうだ、『待っててくれる?』って言ったのは向こうなんだから
そう思い、改めて美月を思う気持ちを持ち直す
「でも…………3年も会ってないんじゃ、もしかしたらその人だって、誰かいい人が出来てるかもしれないじゃない。」
「……………かもな、結婚してたりしてな」