その瞳をわたしに向けて
そんなこと考えているうちに、真っ直ぐと脚の長いコンパスが、陰に隠れていた美月に向かってくる


わっ…………!!

あわてて後ろを振り向いた時には、もう遅かった


「お前は、よっぽど覗きが好きだな……」

「……違っ」


固まったまま俯いた美月の肩をたたくと

「ほらっ……戻るぞ」

美月を通り過ぎて宴会場に戻っていった


宴会場に戻ると、お酒を飲まない石井部長が周りから浮いていたばっかりに、美月に手招きをして隣に座るように促してきた

うわっ……また石井部長だ。あの人お酒飲んでないのに話ながいんだよねぇ……

政治経済のうんちく語るからみんなから敬遠されている

「見てないふりして田中さんとこ行っとけ……」


前にいた松田に小声で背中越しに言われ変わりに石井部長の所へ行った


「うわっお前は来るなっ」と石井部長の隣にビールを持って座った松田が言われていた



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