その瞳をわたしに向けて

そう言って美月の携帯を取り上げ、サイドボードに伏せて置いた

「ひどい顔………? そうだったかなぁ?」

松田に携帯を取り上げられ、代わりに伸びてきた手のひらで頭を撫でられた。


「……………」


撫でてきた手はゆっくりと頬に降りて、美月の唇をなぞりながら松田は、眼鏡を外している優しい瞳で見つめてきた


「…………会いたくて、会いたくて仕方ないって情けない顔してた」

聞こえるか聞こえないかくらいの呟きに一瞬頬がカァッとした

「…………っ」


「明日も明後日も手の届くとこにいるのにな…………」

両手で抱き込まれ、胸の中に入るとまた頭をポンポンとして………



「大丈夫、大丈夫……」



もしかして思いは同じなのかも知れない



安心するそんな声の中で、いつの間にか眠りについていた。





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