その瞳をわたしに向けて
「松田様、お待たせしました。ご案内致します。」
年は40代後半くらいの男性が声を掛けてきた
案内?イヤイヤちょっと待て……………
今日はただ、清宮保に再度美月との付き合いを始めることを言いに来ただけで
物々しく社内に通されるつもりはなかった
昨日も、お逢いしたいと言っただけで、仕事とは全く関係がない
しかし、案内されながらついていくと幾つかのエレベーターを通りすぎ、いかにも上層部用のエレベーターに促された。
「………………」
彼がこの会社の次期社長候補なのは知っているが…………
3年の間に世代交代したなんて話聞いてないぞ……………?
しかし、目の前にあるドアのプレートにはっきりと、そこがなんの部屋なのか書かれてあった
『 社長室 』
まさか……………