その瞳をわたしに向けて

「これはどうゆう事ですか?」

でたな、後出しの大魔王……

憤りを抑えながらこちらを睨み付けてくる


「彼は確か、私に来た客のはずです。それなのになぜ社長室にいるんですか?」

口調だけは丁寧にそう言う保の前で、社長がまあまあと手のひらを立てる

「それに、さっきの話はなんですか? 
彼をウチに転職させて美月と結婚でもさせようって事ですか? 冗談じゃない!
大体、この男はこの前まで他の女がいたんですよ、結婚の話まででて………」


おいおい…………今それを言うか?!
ってか、もろ敵意むき出しじゃねぇか…………


「それは、向こうの誤解だと保だって調べたはずで分かっているだろう。
私だってBest Companyは知らない所じゃないから確認の電話を入れたしね。」


確認の電話? 知らない所じゃないって言ったって会社の規模が違いすぎるだろ……

もしかして、急に田沼社長から誤解だった事を平謝りしてきたのはそのせいか?

この、大企業の社長は、一体なに言ったんだ…………?


「…………だからと言って、そんな誤解をさせる詐欺師まがいの男を美月と一緒になんてさせられないですね。美月がどれだけ傷ついたか………」


俺は詐欺師かよ……………
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