その瞳をわたしに向けて

社長が小さく溜め息をついた。

「お前も、いつまでも妹の美月より、少しは瑠璃子ちゃんの事を考えたらどうだ?」


「今は、そんなこと、関係ないじゃないですか。
まさか、美月と結婚させた上に幹部にして、会社をこの男に………なんて考えているんじゃないでしょうね?!」

「…………」


「お前との初めの約束はそうじゃなかったか?」

それって昔、自分は医者になるっていう話か?

「いつの話ですか?!そんな事、とっくに無効にしたじゃないですか!!
俺は会社を継ぐために今まで………」


…………って言うか、さっきからマリオ無視かよ
大魔王とラスボスが喧嘩してやがる…………


二人の親子喧嘩の中、松田は大きな深呼吸をした


「…………あの」

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