その瞳をわたしに向けて

「えっ………あ、はい。それは勿論です」


「そんな話はまだ俺は聞いていません!」


保が慌てて言うが、社長は「まだ会議はこれからだからね」と舌を出す

「…………っ」


おいおい………ここは会社か、家か?
二人の様子に少し呆れる松田


 バタンッ

「奥様っ、今はちょっと!!」

多分、秘書にはしっかりと人払いを命じてあったのだろうが、
次々と我が物顔で入ってくる身内にホトホト困っている様子だ。


「「?!」」


「いたぁ~!!」

そう言って社長室に入ってきた50代というのにはまだ思えない、少し美月に似た夫人


手には自前の自撮り棒にスマホを着けて松田に近づいてきた。


「背が高いって聞いてたから、必要だと思って、ちょっといい?」

松田の隣に座り写真を撮った


「母さん?!!」


「……………え」
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