その瞳をわたしに向けて

会場に着けば、懐かしい顔も見える


「まさか堀内に先越されるとはな…………」



【堀内家 山田家 
      結婚披露宴会場】


「山田さん綺麗~!!」

すでに、雛壇に座る二人に剛平と二人で挨拶に行く

しかし…………まさかあの経理の山田さんといつの間に?

「出来ちゃったから、責任とるしかないだろぉ…………」

そう言いながら新婦のお腹を大事にさわり、相変わらず目が無くなりそうなクシャリとした笑顔が、さらに締まり無く緩む


いいのか?こんな人で、山田さん!!




「……………ねぇ、二人はどんな馴れ初めなの? 山田さんってずっと剛平のこと好きだったよね………」


剛平と二人で立食の食事を摘まみながら聞いてみる

「…………まあ、昔から仲は良かったはずだろ、よく二人で飲みに行ってたし」


それってば、剛平に食事を断られるたびにってことだったりして…………


それにしたってあのチャラい堀内さんと、身持ちが硬そうな山田さんとの組み合わせには理解ができない
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