その瞳をわたしに向けて
あれは、何年か前の確か………山田さんと剛平がカフェでお茶していたのを、偶然目撃した時だった


『松田君には、振り回すくらいの子の方が合ってるのに、たとえば美月ちゃんみたいな』


って言われたよ!!
あの頃まだ剛平とはお友達状態で、しかも誰も私達の密会には気付いてなかったはず

「…………」

「…………」

お互い顔を見合わして、もう一度雛壇で新郎新婦の真ん中に立って写真を撮る田中さんを見つめた



恐るべし『イズミの魔女伝説』




そんな神秘的な田中さんを見ながら

徐に剛平が美月を真っ直ぐ見つめる


「……………美月」

「んっ?」


見上げると同時に、美月の左手を取って、そこに嵌められたカル○ェのリングを外した
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