その瞳をわたしに向けて
「瑠璃ちゃん? 見送りしてって、これからどこいくの?」
そこは、東京国際空港(羽田)新国際線ターミナル
搭乗時間までゆっくりとくつろぐ美月と瑠璃子の二人
「う~んっ? フランス行って、その後ドイツに10日ほど…………かなぁ?」
「また、珍しくゆっくりと遊びに行くのね」
呆れた言い方をする美月
「それより最近はどう? あの巨人兵との同棲生活」
「え~~まあ、ぼちぼちと………へへっ」
「…………」
清宮保に大反対されながら、全く取り合わず幸せに同棲生活を続ける美月たち
「あっ、そう言えばあの堀内さんが結婚するって報告に来たよ。覚えてる?昔、たまに瑠璃ちゃんと食事に誘ってきた剛平の同期の…………」
首を傾げながら「ああ………」と何となく思い出した振りをする。
「へぇ…………結婚するんだぁ」
気のないそんな返事に美月はさりげなく聞いてきた
「……………ねぇ、瑠璃ちゃんと兄さんってどうなってるの?」
「え?」
美月は、ドキッとするくらいその大きく澄んだ瞳で、瑠璃子の顔を覗き込んだ