その瞳をわたしに向けて

「お前、まさかそのメイクで男誘ってるつもりか? あり得ねぇだろ」

「はぁっ?!」



周りには愛想のいいイケメンは毒を吐く二重人格だった

確かに普段からきつく見えるメイクをして、恋愛対象から外れるように徹していたが、それを直接指摘してくる人はまずいなかった


「御心配なく、帰って直ぐに断ってくれて結構ですから。」

「なるほど、最初からその気はないってことか…………?」

「ええ、そうゆうこ…………へっ?」



信じられない…………事もあろうにそこは、真っ昼間の庭園

奴の両親も、私の父親も見える所にいるし、その他の客だって…………

私に近づいたその綺麗な顔が、唇が……………


「!!!」


ヌルッとしたその感覚に目眩がした

「んんっ~!!」

かろうじて意識を保って、
その頭の後ろをガッチリ捕らえられた手を、なんとか振りほどこうともがいて
バシバシとその腕を叩いたのに

舌まで流れ込んできて………

思わず噛み付いてやった!!!



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