その瞳をわたしに向けて
その様子に飛んできた親たち

そんな親たちにあいつは言いやがった

「僕は、彼女と結婚したいのですが、彼女には嫌われているようです。でも、諦めることができません。どうか僕にチャンスをくれませんか?」

「「??」」

「今はまだ瑠璃子さんも若いですから、これから彼女にゆっくりと求愛させてください。」

「…………求愛とは?」

私の父親が眉をひそめる

食い付くな~!!即断るだろ、娘が襲われたのに!!

「僕はまだ暫くはアメリカ駐在なんです。でも、その間に瑠璃子さんがお見合いなどされたら困ります。ですから、瑠璃子さんがその気になるまで僕を婚約者としてくれませんか? 勿論手は出しません。彼女が「うん」言ってくれるまで粘ります。」

そう言ってガッツポーズを見せる

清宮の母まで「あらぁ~ステキ!」と大賛成


噛みついた口を拭いながら、ニヤリと私にだけ口角を上げる


そしてその夜、美月とルームシェアする部屋にやって来た


お互い都合がいいだろ、要は見合い逃れだ

全く、親っていうのはなんで自分が決めた相手と結婚させたいのかねぇ…………
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