その瞳をわたしに向けて
確かにそれは同感だった
取り敢えず5年、この状態のままでいる契約をした。
勿論、その間に好きな人が出来ればそこで契約解消。恋愛だって自由
そんな、ふざけた契約に私はのった
でも…………あいつが私を選んだ本当の理由は、美月の親友だったから
その人形のような澄んだ瞳、綺麗な顔立ちで、気は強いが頼りなく無防備な性格の美少女
同じ顔立ちを持つ彼は、妹を溺愛するシスターコンプレックスだった
パーティーがあれば、美月の周りに男が近寄らないように防御し、
父親が根回しした、見合い目的だろう食事会には、勝手にキャンセルを入れる始末
呆れるが、分かる気もした。
私も美月は好きだった。思わず護りたくなる気持ちは、彼との唯一の共通点だった
そんな時だった、彼の弱点を知ったのは
美月と同じお酒に極度に弱いこと
「女のクセにそんなに飲むなよ。酔っ払ったらそのまま捨ててくぞ」
グラスワインの2杯目を飲み干した私をみて、眉間に皺を寄せた
「こんなんで酔っ払うはずないでしょ。」
美月に向ける、厳しくも愛情の溢れる瞳とは明らかにちがう目で指摘してくる