その瞳をわたしに向けて
人通りのない大通り沿いの歩道
点々とある街灯と、たまに擦れ違う車のライトとが重なって明るくなったと思うと、一瞬にして暗いく感じる
そんな道中で二人の会話だけが響く
「ズルいですっ!私はちゃんと言ったのに……」
「お前が勝手に言い出しただけだろ、だいたい俺の事だって苛めるだとか常務にいったんだろ……」
「えっ……」
………うわっ、常務何言ってくれてるの?
松田はアイスを食べ終えた棒をコンビニ袋に戻し、美月に視線だけ落とした
「………常務、何か言ったんですか?」
「もう少し優しいく出来ないのかだと……」
「ははっ……じゃあもう少し優しくして下さい」
冗談でそう言ってみたら、またあの手が頭に降りてきた
「こっちだって、わざとミスしてるなんて思ってない。もう少し仕事に興味を持てと言ってるんだ」
近く、覗き込んできたから思わず目を逸らした。
「あんまり上から見下ろさないで下さい、背が高過ぎ、目恐いし………」
そう言ったら松田の手が頭から離れた。
「っんな事仕方ないだろ……」