その瞳をわたしに向けて
「すみません、常務室にお茶をお願いします。」
そう言って2課に顔を出したのは、杉村常務秘書の北川さんだ
「はぁい」
と、いち早く美月が反応し席を立つ
常務室へのお茶だしは、同じフロアーで給湯室近くの第2営業部に頼んでくる。
杉村常務の秘書の北川さんは男性なので必然的に美月か、立花がやる事になっている。
「失礼いたします。」
お茶の入れかた、お客様への対応等は入社した時に指導され、もともと立ち振舞いには自信があった美月には完璧だ
「清宮さん、ありがとう」
柔らかく微笑みながらお礼を言ってくれる杉村常務に美月は「いえ…」っと少し頬を赤らめる
はぁっ……やっぱりカッコいい
イズミfoods 代表取締役 泉 直孝氏の甥にあたる会社一族の一人
杉村貴也(すぎむらたかや)35歳
長身で、物腰が柔らかく精憚な顎のライン、男性の色気を持った瞳はどこか翠色ぽく、ヨーロピアンの系列が入ったイケメンだ。しかも独身
そして、美月もその杉村常務のファンの一人
会えたらその日一日のテンションが上がる