その瞳をわたしに向けて
「……えっ」
カシャン
その音に瞬間、身体を離し音の方に目をやると、立花が扉の前に
身体を離したことで、常務の目が正面の人物をハッキリ見つめた。
「あっ…………れ?」
自分の腕の中にいるはずの春香が違う……?ではなくて、今まで腕の中にいた春香は自分がそう思っていた立花春香ではなかった…………のか?
「…………っ」
腕を離して身体を起こすと、目の前で美月は扉の方に視線を送っていた。
でも、そこにはもうだれも居なくて、見覚えのある筆入れと、2、3枚の資料らしき書類が散らばっていた
「えっ……今?」
自分の口を手で覆った常務が美月の方を見る
深い溜め息をついて、美月が言った
「立花さん、戻って行きました………すみません」
少し頬を赤らめて視線を外す美月を見て、杉村常務はようやく今の状況を理解した
ソファーに座り直し、溜め息をつきながら片手で頭を抱える杉村常務
「あの………追いかけないんですか?」
そう声をかけた美月に顔を上げずに低い声が答えた
「………どうして、君がここにいるんだ?」
いつもの優しい柔らかな声とは程遠い
「あの…………わたし……」
俯いて、すぐにそこから放れて立花の落とした筆入れを拾った
「余計な事はしなくていい、君は早く帰りなさいっ」
ソファーから立ち上がると常務は美月の拾った筆入れを取り上げ、そのまま部屋を出ていった
カシャン
その音に瞬間、身体を離し音の方に目をやると、立花が扉の前に
身体を離したことで、常務の目が正面の人物をハッキリ見つめた。
「あっ…………れ?」
自分の腕の中にいるはずの春香が違う……?ではなくて、今まで腕の中にいた春香は自分がそう思っていた立花春香ではなかった…………のか?
「…………っ」
腕を離して身体を起こすと、目の前で美月は扉の方に視線を送っていた。
でも、そこにはもうだれも居なくて、見覚えのある筆入れと、2、3枚の資料らしき書類が散らばっていた
「えっ……今?」
自分の口を手で覆った常務が美月の方を見る
深い溜め息をついて、美月が言った
「立花さん、戻って行きました………すみません」
少し頬を赤らめて視線を外す美月を見て、杉村常務はようやく今の状況を理解した
ソファーに座り直し、溜め息をつきながら片手で頭を抱える杉村常務
「あの………追いかけないんですか?」
そう声をかけた美月に顔を上げずに低い声が答えた
「………どうして、君がここにいるんだ?」
いつもの優しい柔らかな声とは程遠い
「あの…………わたし……」
俯いて、すぐにそこから放れて立花の落とした筆入れを拾った
「余計な事はしなくていい、君は早く帰りなさいっ」
ソファーから立ち上がると常務は美月の拾った筆入れを取り上げ、そのまま部屋を出ていった