その瞳をわたしに向けて
「大丈夫です。全然まだ平気です、いつもこうですから……」
そう言って少しピッチを上げた
頭の中でアルコールが入ってくる感覚かして、はぁっと思わず深い溜め息を吐いた
「お前って会社の事や、仕事の事とか相談する同期の女子の友達とかいないのか?」
「………」
「お昼に田中さんか立花と食べる以外つるんでる奴いないだろ……」
「別に、困る事なんかありませんけど」
同期の女子なんか、研修でうっとおしい男たちがしつこく携番聞いてきたのを断ってたら、敬遠されて一度も喋ってくれなかった
総務はもちろん、経理や他の部署に書類を持って行っても受け付けてくれる女子社員たちは、私を快く思ってないのは態度でわかる。
そこでどう、友達を作れって言うんだ………
「だったら立花にいろいろ相談すればいいだろ」
そんなノーテンキな事を言いながら、ジントニックを飲み干す松田に、だんだん腹が立ってきた
「どうして、立花さんになんかに相談出来るんですか?あの人の方が私の事嫌ってるのに………」
美月の言うことに顔を歪ませる松田
「別に嫌ってないだろ、そんな風に見えないぞ。お前の勘違いだろ」
そりゃそう思うだろ、あなたは立花さん贔屓なんだから………
美月は盛大に深い溜め息をついた
「もう、いいです。どうだって………」