その瞳をわたしに向けて

「……………」


ベッドに座ったままの美月、首に回った腕を両手で軽く解くと、松田の肩から顔を上げる彼女の口を塞いだ。


「んっ……ふぅ…」


抵抗する様子もない美月の唇を、ゆっくりと啄みながら濡らしていく

チュッと、水音を立てながら次第に深くなっていく…………


流れにまかせて身体はそのままベッドに倒れこんだ


柔らかなその甘い唇に、つい夢中になってしまった。



一度、唇を放し自分の身体を肘で支えながら、美月のトロンとした目や頬に軽くキスを落とす。

ゆっくりと頬から耳朶を唇と舌が巡り首へ伝わっていく


「くふっふっ……………くすぐったぁい」

美月のそんな声がますます松田を煽る

「清宮…………」


自分の本能が、この目の前の女の触りたいところに手が伸びていく

ネクタイを緩め、美月のノースリーブのブラウスのボタンに手を掛け、脱がせていく


首から鎖骨を吸うように強く口づけるとキャミソールの中へ、松田の指先が美月の身体のラインをなぞる


「……………」

「……………清宮?」


美月の反応がない



さっきまで絡まっていた手も、ベッドに埋もれたままピクリともしない………


行為を中断して上から美月を見ると、規則的に静かな寝息をたてていた。



「マジかよ……………」


溜め息をつきながら、そのまま狭いベッドに倒れ込む


「う…………んっ」

ゴロンと横向きに寝返りをうつ美月、熟睡している彼女の頬を触るが、寝息を立てながら動く様子もない


「はぁっ……………」


熱くなった気持ちと、身体をを収めようとしたら一気に眠気に襲われた



もうすぐ日付の変わる時間、松田もそのまま眠りに堕ちてしまった。



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