その瞳をわたしに向けて

松田 side



昼の会議を終えて、喫煙所に行くと、そこにすでに二人の先客がいた

二人は松田が来た事も気にしないで、話をしていた。

聞くつもりもなかったが、嫌でも耳に入る話だった………


「今朝エレベーターで、偶然あの2課の清宮の近くに乗ったんだけど、その時見たんだよなぁ首に………」

「首?」

「キスマークだよ」

「!!」

松田も二人の方を見た。

清宮と同期の奴等か…………?


「マジ?!やっぱ彼氏いたんだ………」

もう一人の男がガックリしながら吸っていた煙草の火を灰皿に押し付けて消した。

「違うって、あれは絶対合コンでお持ち帰りされた口だぜきっと。それかクラブでナンパされたか、案外社外じゃ派手らしいぜっ」


キスマークを見たと話した奴が、煙草を持ち上げ得意気にい言い放つ

「おいっ」


松田の声に二人がビックリして、会話が止まる


「あ…………悪い、火貸してくれ」


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