その瞳をわたしに向けて
「俺、ずっとそんなわけないって信じてたんだぜ。でも、あの場にいたこっちの気持ちが分かるか?友達と寝た彼女を抱けるほどさすがに寛大じゃないからな俺………」
………ねぇ何であんな時間に家にきたの?
聞きたい事、言いたい事がのどが詰まって出てこない
頭が良くて、人気者で、いい人ですごく優しくて、大好きな颯太君が苦痛に顔を歪ませ、私に背を向ける。
飲みに行くまで頭を撫でて「飲み過ぎるなよ」って笑顔を見せてくれたよねぇ………
もう終わり…………?
訳が分からず萌子に電話したのに、なかなか出ない…………
やっと捕まえた萌子は信じられない言葉を発した
『ああ………美月って鈍くてバカだよね。ふふっ、これで颯太、返してもらうね』
「どうゆう事?」
その後はもう、彼女とは通じなくなった
前の日一緒に飲みに行ったのは萌子と数人の萌子の女子友達だった
お酒は私の記憶をすべて消し去っていた
「おかえり、遅かったね美月」
その笑顔に嫌悪感しか感じない
その男の待ち伏せはその時からさらに始まった
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