その瞳をわたしに向けて
「…………って事で、杉村常務とは話が出来たんだけどね」
瑠璃子は感心したようにへぇ………と美月が話す最近の怒濤のような出来事を聞き入っていた。
「何でいつの間にそんな面白い話になってるの?」
面白いって………
「さすが美月のパパね。コネ入社は分かるとしても、まさか婚約者までとはねぇ」
「婚約はしてませんから」
話していたら、すっかり食事も終わり、食後のコーヒーをかき混ぜながら溜め息をつく
「パパも案外美月のイケメン好きってこと分かってるのね、上手くいかなくて残念?」
「……………どっちの味方なの?」
実は、美月の父親と瑠璃子の父親とは少なからず面識があった
とは言え、彼女は父親の新しい奥さんと折り合いが悪く、家を飛び出し一人暮らしを始め、
美月との途中ルームシェアの期間もいれたら自立6年になるらしい
瑠璃子の父親は、世間で有名な某議員で、
そんな親から反抗中の、
一つ年上の夢を追うお嬢様なのだ
美月はそんな瑠璃子に憧れていた
「そもそも、何であんたは飲みに行ったりしたの?」
「………」
そうなんだよねぇ………普通なら断ってるはずなんだけど
「したの?」
「してない、って言ってた………」
……………最後までは