【完】『雪虫の舞う頃に』

茉莉江と再会したのは、その半月ばかり前であった。

通っていた陶芸の教室で講師の作品展があり、そのギャラリーのロビーでばったり出くわしたのである。

「…駿、だよね?」

振り返ると、髪をショートに切った茉莉江が、トートバッグを手にたたずんでいる。

「あ、髪…切ったんや?」

久しぶりという前に、まずイメージの変わった茉莉江に駿は驚いたらしい。



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