そして星は流れて消えた


――コンコン。

家族3人和気あいあいと会話を楽しんでいると、2回ノックの音が響いた。





このたたき方。

たたき方でわかる。



ノックと共に私の胸は高鳴った。


「はい、どうぞ」


未だに緊張する。


「失礼します」

ああこの声。

ドキドキする。



「あら、望月先生。いつも娘がお世話になっております」


お父さんもお母さんも先生に頭を下げた。

「これつまらないものですが、皆さんで召し上がってください」


「ありがとうございます」


お母さんは黄色の紙袋を渡し、にっこり微笑む。

「娘が我が儘を言って困らせてませんか」


「いえ、そんなことはありません」


「今後も娘をよろしくお願いいたします」


「…はい」



何故だろう。

先生の顔が少し歪んだ気がした。
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