そして星は流れて消えた


じめじめした日々が続く、
6月の梅雨の時期がやってきた。



「それにしても星華ちゃん、髪伸びたわね」


採血をしながら、看護師の小夜(さよ)ちゃんは言う。


「でしょ?鎖骨くらいまでしかなかったのに、胸のあたりまで伸びたよ」


伸びたと言うけれど、小夜ちゃんには勝てない。


「小夜ちゃんはナース服のときは髪をまとめてるからわからないけれど、下ろしたらお尻くらいまであるんでしょ?」


「そうなの。さすがにもう切ろうかなって思ってるんだけどね」


小夜ちゃんは、望月先生と同い年の28歳の看護師さん。


若いのに、採血は痛くなくてとても上手い。


「はい、これで終わり」


「ありがとう」


採血は嫌いだけれど、小夜ちゃんにしてもらうのは痛くないから大丈夫。


「わあ、今日も雨だね。じめじめしてて嫌になっちゃう」


「本当だね。もう6月かあ」



入院して4ヶ月が経った。

やることのない、暇な日々が続いて1日が長く感じられた。


それなのにもう4ヶ月。
時がすぎるのは早いものだと思った。



そして私が先生に告白してから2ヶ月と少し。


私はずっと疑問に感じていたことがあった。

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