そして星は流れて消えた

ナースステーションには、何人かの看護師が業務にあたっていた。

その中に、一際目立つスラッとした背の高い女性。
誰がみても美人だと思うだろう。

名札には"美空小夜"と書かれている。
名前も見た目も綺麗なわりには、汚いことをする女だな。

俺はナースステーションに近づき、"美空さん"に声をかける。

「ねえ看護師さん」

声をかけると"美空さん"はこちらを振り向き、俺をみて首をかしげた。

「はい。えっと…誰かのお見舞いですか?」

綺麗な顔には、濃いめの化粧。
もともと綺麗な顔立ちをしているのに、化粧なんて必要だろうかと疑問に思うほどだ。

「天野星華の担当看護師って、美空さんであってますか?ちょっとお話いいですか」

"美空さん"は不思議そうに俺を見つめていた。
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