そして星は流れて消えた

「これからどうするの」

市役所を出て、駅までの帰り道で彗くんは俺に尋ねる。

「休みっていっても夜勤あるし、病院に向かうよ」

「一日休みってほとんどないんだな。医者は大変だな」

「まあな」

駅の改札に入って、逆方面の電車に乗る彗くんとはお別れだ。

「じゃあまた連絡するわ」

「わかった。じゃあな」

彗くんの後ろ姿が消えるまで見送ったあと、俺は歩き出す。

さあ、仕事に行きますか。

ネクタイに付いた、シルバーのネクタイピンを光らせながら、俺は駅の階段を降りていった。


END
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