可愛いあの子
あ、そっか。
南の事は噂になってるから、水本も知ってて当然なんだ。
簡単な事だった。
考えて損した気分だ…
『おい、かける!!』
純平が慌ただしく駆け寄って来た。
「なんだよ」
『これ、水本がお前にだって!』
ほらっ!と言って渡されたのは……
飴……?
「なんだよ、これ」
『キャンディーなんだって!お前に食べて欲しいんだとさ!』
キャンディー…?なんで俺に?
ガサガサと音を立てて開けたら、そこには…
真っ赤なボコボコといびつな形をしたキャンディーだった。
『うわ…なんだこのキャンディー初めて見た…』
「気持ちわりぃ…」
その一言だけだった。包装紙はハートやピンク色なのに、中身が真っ赤…
『血みてぇだな!』
「知らねえーよ」
『ほら、さっさ食えよ!!』
「は?!こんな気持ち悪いやつ食えるか!」
『いや!イチゴ味だろ!早く食え!』