キミに出会うまで
森さんちに着いて、手を洗ってから持ってきたエプロンをつけて、帰りにスーパーで買った袋から油を出して。


「優花、俺なにか手伝えることある?」


「だいじょうぶ、お風呂入っちゃえば」


「いいの、マジで?」


「どうぞ」


油を熱している間、お皿にレタスをひいて、ワンポットでできるクリームソースのマカロニを準備。



唐揚げを作っていたら、お風呂あがりの森さんがタオルを首に巻いて近づいてきた。


「すげー、超うまそう」


「もうすぐできるよ」


「なんかさ、結婚したらこんな感じじゃね?」


「付き合ってもいないのに、何言ってんだか」




森さんがテーブルでごそごそセッティングしてて。


唐揚げとマカロニを持っていったら、シャンパンとグラスが用意されてた。


「なにこれ、めっちゃオシャレなんだけど!」


「たまには、な」


「早く食べようよ」




「じゃ、ふたりの初めてのクリスマスに、乾杯」


「えっ・・・」


グラスが音をたてる。



「すっげーうまい」


笑ってる森さんを見たら、なんかドキドキしてきた。





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