キミに出会うまで
あらかた食べ終わって、一息ついた頃。



「俺、やっぱり優花が好きだ」



あまりにも突然でまっすぐな言葉に、心臓をつかまれたみたいになって、何も言えなかった。



「まだ、元カレが忘れらんない?」


「も、森さんこそ、元カノ忘れてないでしょ?」


「さあな」


「えっ?」


「優花と一緒にいられたら、きっと忘れられる」


「そんないい加減なこと言わないでよ」


「いい加減な気持ちで告白なんかしねーよ」


「でも、この前は体調崩すほどダメージ受けてたじゃん」


「あの看病で、俺やられた」


「はい?」


「優花を見直した、いや、惚れ直した?」


「どういうこと?」


「初めて会ったとき、一目惚れしてたから」


「え・・・」


「でも俺、元カノに未練タラタラだったし、正直誰かと付き合うなんて面倒だと思ってたから、すぐに忘れようとしてて。


まあ、それは言い訳で、誰かを好きになるとまた裏切られるんじゃないかと思って、ビビってたんだよな」







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