キミに出会うまで
明日香先輩は、


「森さん、ちょっと・・・」


と、まわりに気づかれないように呼び出してきてしまった。


「土屋さん、なんですか?」


「坂本から話があります。


じゃあ、ちゃんと話すんだよ、ゆう」


「えっ、あの、明日香先輩・・・」


明日香先輩は、ひとみちゃんを連れて離れてしまった。


部屋のはじっこに残された、森さんと私。



「森さん、え、えーっと、あ、あのですね・・・」


「髪切ったんだな」


「え、あ、うん」


「落ち着けよ、優花」


まだ、名前で呼んでくれるんだ。


「あ、あのね、年末年始は函館へ帰るの?」


「いや、夏に帰ったし、帰らないけど」


「そ、そうなんだ」


「それで、話って何?」


「じ、実はね・・・」


カウントダウンイベントのことを話そうとしたら、私が握りしめていたスマホが震えた。


「電話、出ないの?」


「あ、うん、ちょっと待って」


スマホの画面を見ると、さっきひとみちゃんが見せてくれたカウントダウンイベントページのリンクが貼ってあって。



私はすぐにそのページを開いて、


「森さん、私と一緒にここへ行きませんか?」


勢いで誘ってしまった。


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