キミに出会うまで
お母さんの質問攻めを乗り越え、ふたりで出かけることにした。



「いってきます」


「また、優花さんをお送りしますので」


「優樹さん、よろしくね」


「気をつけて行ってこいよ」



家を出て駅に向かいながら、森さんに謝った。


「ごめんね、お母さんしつこくて」


「気にすんな、しつこいなんて思ってないから。


俺、うまくやってただろ」


「うん、ふたりとも信じてると思う」


「俺は、フリはもう嫌だけどな」


「あっ・・・ごめん」


「謝んなよ、俺は優花を振り向かせてみせるから」



私の右側を歩く森さんの横顔を、そっと見上げてみる。


きっと、付き合っても、今までと同じように何でも言いあえて、楽しいだろうと思う。


てっちゃんみたいに、未来のみえない恋愛にはならない。



でもどこかで、みえない何かにおびえている私がいる。


そういう不安は、的中してしまうものだ。



この不安は、どうやって消せばいいんだろう。




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