キミに出会うまで
「これからどうする?」


「じゃあ今から、初詣行かない?」


「初詣か、行ったことねーかも」


「函館では行かないの?」


「寒いし、雪がすごいから行かない」


「じゃあさ、うちのそばの神社行こうよ。


有名じゃないから混んでないし」


「優花を送りついでに行くか」


「ついでってひどくない?」


「優花を送ったら、帰らないといけねーだろ?


それがちょっとさみしいじゃん」



胸がキュン、って音をたてた。


こんなトキメキ、もう味わえないと思ってた。



「元旦はお兄ちゃんが子供たちと一緒に帰ってくるから会えないけど、2日は会えるよ」


「しょーがねーな、今日も会ったけど、明日も遊んでやるよ」


「何よその言い方、やっぱやめよっかな」


「冗談だよ、一緒にいてください」


「どうしよっかなー」


急に、力強く抱きしめられた。


「いいって言うまで、離さねーぞ」



ずるいよ、こんなの。


イヤなんて言えないじゃん。



「仕方ないなあ、許す」


「よしよし」


そして、初詣に向かうことにした。








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