キミに出会うまで
それから、毎日はさすがに一緒にごはん食べないけど。


週に一度は外食したり。


週末はふたりで出かけたり、優樹の部屋でまったり過ごすことが増えた。


私の家で夕飯を食べたこともある。


そうやって、たくさんの時間を一緒に過ごしていって、お互いのことをどんどん知っていって。


好きな気持ちがふくらんでいく。


もうすぐ30歳だっていうのに、変だけど。


会うたびに、会社で目が合うたびに、ドキドキする。



そして、1月下旬のある日。


ラーメン・餃子・ビールという、ふたりで好きな夕飯を満喫していた日。


「優花の誕生日、土曜日だな」


「そうだね、一緒に過ごせるね」


「・・・誕生日さ、俺んちに泊まるの、無理?」



それはつまり、そういうことだよね。


ふたりとも大人だし、ためらう理由もないけど。



「ご両親、反対するかもな」


「聞いてみる」


「俺から言おうか?」


「ううん、私がちゃんと話すよ」


「無理ならあきらめるけど、ちゃんと送るから、できるだけ長く一緒にいたい」


「うん、私も」


「誕生日は、なに食べたい?」


「そうだな、どこかでランチしてから買い物して、ケーキも買って、夕飯は優樹の部屋で食べたい」


「せっかくの誕生日なのに、自分で作るのイヤじゃねーの?」


「じゃあ、作ってくれる?」


「いいよ」


「ほんと!


あ、でも心配だから、私も手伝うからね」


「一人暮らし歴長いから、心配すんな」




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