キミに出会うまで
食べ終わって、ふたりで片づけて。


一緒に暮らしたら、こんな感じなのかな。



「優花」


「なに?」


「目閉じて」


「えっ、変なことしないでよ」


「変なことって、なんだよ」


「うーん、顔に落書きするとか」


「そんなの、小学生でもしねーよ」


「じゃあ、なんだろ」


「手を出して」


「はい」


広げた手のひらに、固いものがふれた。


「目開けて」


そっと目を開けると、ラッピングされた箱がのっていた。


「誕生日プレゼント」


「ありがとう、開けていい?」


「いいよ」


ドキドキしながら開けると、私が使っているお財布と同じブランドのキーケースが入っていた。


「ありがとう、大切に使うね」


「キーケースも開けてみろよ」


「うん」


鍵がひとつ入っていた。



「俺んちの鍵」


「えっ・・・」


「いつでも、好きな時に来ていいから」


「合鍵もらえるなんて、思わなかった」




すごく、嬉しかった。


初めての合鍵。





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